関西エアポート(株)は二十六日、着々と進む第1ターミナルビル(T1)リノベーション工事(施工・大林組)の現場を報道陣に公開した。現在Phase3(国際線保安検査場の集約・拡張、国際線入国エリアの移設)の工程に入っており、江村剛関西エアポート(株)執行役員T1リノベーション部長、大本貴久同関西空港運用部長らの案内で施工範囲を巡回。そのうち、四階部を増床して集約した新設の国際線保安検査場の一部が九月三日に先行オープンする。
国際線保安検査場はこれまで三カ所に分散していたが、リノベーション工事でこれを一カ所に集約し、面積を拡張することでより開放感のあるエリアに生まれ変わらせる。従来よりも長尺のスマートレーン(長さ二〇㍍)を導入、より快適でスムーズな保安検査が可能となる。先行オープン時はレーン長さ二〇㍍が一〇台、一五㍍が六台の計一六台が稼働する。
また、キューイングマネジメントシステム(待ち行列管理システム)を初導入。これは、客の流れを把握するデータをリアルタイムに活用し、自動でフラッパーを動かし動線を切り替えるシステム。客の数や状況に応じ、自動的かつ効率的に保安検査レーン(スマートレーン)に誘導することが可能となる。
先行オープンを前に江村執行役員部長は「コロナ禍からの回復は順調で今年の夏は賑わっている。来年は万博も開幕し、新しい保安検査場を快適に利用してほしい」と期待を寄せた。Phase3はこれから令和七年春のグランドオープンを目指して国際線ラウンジ、入国審査場などの整備を進めていく。万博開幕前の完成を目指しており、その際には、保安検査場のレーンは一八レーンに増設される。