近畿地整・新局長就任の黒川純一良氏

七月三十一日付で本省の道路局長に就任した池田豊人近畿地方整備局の後任として、同日付で新たに新局長として近畿の建設行政を牽引することになった黒川純一良氏。近畿は二十八年五月まで務めた河川部長以来ということだが、すでに業界との意見交換や発注者協議会などを局長としてこなし、七日には報道陣を前に就任会見を行った。
大阪市中央区大手前の地整局内で行われた会見では、大きく三点に取り組むことを強調。まずは「防災・減災」で、平成二十七年九月の鬼怒川大水害(関東・東北豪雨)を受けた、近畿の河川約三百㌔における対応や、翌二十八年八月の台風⒑号被害を機に水防災意識社会の再構築、そして昨年の九州北部豪雨、今年に入り福井での二月豪雪による国道8号の車両の立ち往生等を列挙し、自治体とも連携し様々な取り組みを実行することを表明した。
また、第二点目として、「地域づくりのお手伝い」を挙げ、この五年でとりわけ関西地域で急増したインバウンドの迎え方として、集積する観光遺産の活用へ向け、たとえば定時性を確保する道路などのインフラ整備の推進を掲げ、さらに地域が活性化し、それぞれの生業が発展するためのミッシングリンクの解消などにも言及した。
最後に強調したのが、インフラのメンテナンス。二十四年に発生した中央自動車道の笹子トンネル事故などを例に挙げ、それらを管理する地方公共団体への人的・技術的・財政的支援などにも力を入れることを約束。そして、自らが防災畑に数多く携わってきたこともあり、「現在国交省で九千六百人いるというテック・フォースの活動には取材等を通じて広くアピールしてほしい」とし、災害対応の最前線への熱い思いを吐露した。
黒川 純一良氏(くろかわ・じゅんいちろう)=昭和61年3月大阪大学大学院工学研究科修了。同4月建設省入省。平成7年4月1日河川局河川環境課長補佐、9年7月都市局下水道部公共下水道課長補佐、11年4月山梨県土木部下水道課技術指導監、12年4月四国地方建設局大洲工事事務所長、13年1月四国地方整備局大洲工事事務所長、15年11月四国地方整備局企画部企画調査官、18年4月大臣官房付(国土技術研究センター)、20年7月独立行政法人水資源機構経営企画部企画課長、24年4月水管理・国土保全局防災課災害対策室長、26年7月近畿地方整備局河川部長、28年6月水管理・国土保全局防災課長、29年7月から水管理・国土保全局水資源部長。兵庫県篠山市出身、57歳。

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黒川局長は防災・減災を筆頭に明日の関西に必須の行政課題を列挙した