平成二十九年度建設殉職者慰霊法要」が2日、高野山奥の院前公園墓地(和歌山県高野町)の「土木建築殉職者の慰霊碑」前でしめやかに執り行われた。今回で42回目となる法要だが、直前の猛暑とは打って変わり、例年になく涼しい木立のなか、才賀会長、北浦会長ら72人が今日の業界を築いた先達の御霊に報恩感謝の誠を捧げた。
昨年度は、建設業における作業中の物故者が三百人を切ったという。福岡建団連会長の杉山秀彦氏は閉会の挨拶で、「私がこの世界に入った頃は毎年2500人が事故で亡くなっていた。それを思うとよくぞここまで、といった感があるものの、それでも毎日一人が亡くなっていることは深刻に受け止めたい」と語り、まさしくその通りだと感じた次第。
一人の死の周りには、子どもや妻、そして親兄弟など何十人の悲しみがあるだろう。
丹那トンネルや黒部ダムなど、我が国の代表的なプロジェクトはいずれも何百人の犠牲があって完成したわけだが、技術が進歩した今日ながら、油断(ヒューマンエラー)を排して「それでも事故は絶対に起こしてはならない」ということを、改めて肝に銘じたい。