約二十年ぶりの大規模修繕となる阪神高速1号環状線(南行)リニューアル工事が急ピッチで進められている。工事は、梅田~夕陽丘間および12号守口線南森町・扇町付近を終日通行止めにして十日から始まり、世紀東急工業、鹿島道路、大林道路らが施工。構造物の長寿命化、安全性・走行性の向上、沿道環境の改善等を図るため、梅田~夕陽丘間は二十日まで、南森町・扇町付近は二十七日まで懸命の作業が続く(13日付一部既報)。

1号環状線は大阪市内中心部に位置し、一日の利用台数は約二五万台(二〇一九年度平日平均)にも上る大阪都市圏の道路ネットワークの最重要路線。これまで一九八八年、二〇〇一年・二〇〇二年の二回大規模補修工事を実施したが、前回の工事から約二十年が経過し、現在では舗装や伸縮継手の経年劣化による損傷が顕在化している。また供用から五十年以上経ったなかで、車両の大型化や大型車の繰り返し走行負荷の蓄積により、道路橋の床面であるコンクリート床版などで構造物の損傷が進展しつつある。

こうした状況から、構造物の長寿命化を目的とした抜本的な対策が必要とされているため「高速道路リニューアルプロジェクト」の一環として、二〇二〇年度、二〇二一年度の二ヶ年でリニューアル工事を行うこととした。

今年度は南行で工事を実施。▽損傷が進展した床版の取り替え▽コンクリート床版の高性能床版防水の実施▽安全性・走行性の向上のための舗装打ち替え▽走行性の向上・沿道環境改善のための伸縮継手の取り替え▽構造的な弱点を有する橋梁の構造改良など工種は多岐にわたる。

まずSTEP1として、1号環状線南行(梅田~夕陽丘)で一〇日間の終日通行止めを行いリニューアル工事を展開中。全面的な舗装の打ち替え、伸縮継手の取り替え、高性能床版防水などが行われている。

1号環状線では、穴ぼこ(ポットホール)などの舗装損傷に対して、応急的・局所的な補修を繰り返し行ってきたが、経年劣化は明らか。このため、全面的に打ち換えて平坦性を回復し快適に走行できる状態を確保するとともに、透水効果があり雨天時でも視認性の良い排水性舗装やカーブ区間等にはすべりにくい舗装(密粒ギャップ舗装)を施工することにより、走行時の安全性も向上させる。

段差等の損傷が生じている伸縮継手は耐久性の高い新しいものに取り替える。作業は、埃が飛散しないようシートで囲って舗装工事に影響を与えないようにして行っており、これにより走行性の向上と沿道環境の改善が図られる。

ひび割れた鉄筋コンクリート床版には浸透性の高い防水材を塗布し、さらにもう一層の防水層を組み合わせた高性能床版防水を施し、床版への浸水を抑制する。この措置によりコンクリート床版の長寿命化が期待できる。

1号環状線では、出入口やジャンクションの分合流が短区間に連続するため、分合流付近での錯綜に伴う接触事故や、誤って出口を退出する誤分岐が多発。これに対しては、分合流付近の区画線改良による整流化や、方面案内のわかりやすさを重視した案内標識レイアウトへの改善、出口であることが直感的に理解できるような青色のカラー舗装を施すなどの対策を講じている。

更にSTEP2では、通行止め区間を12号守口線南森町・扇町付近に縮小したうえでもう七日間終日通行止めを継続し、阪神高速道路本線では初めてとなるコンクリート床版の取替工事を完成させる。同工事は、最新基準に適応した耐久性の高いUFC(超高強度繊維補強コンクリート)床版に取り替えるもの。従前より薄型・軽量かつ疲労耐久性の高い床版となり、構造物の長寿命化に寄与する。

1号環状線は大阪の都市交通の根幹となる路線であり、南行だけとはいえ、通行止めによる周辺道路への影響は多大。それを軽減するため『う回ルート検索システム』を構築するなど最善を尽くしている。

報道陣を案内した兒玉崇阪神高速道路(株)管理本部大阪保全部保全管理課課長代理は「ご迷惑をおかけするが、将来の環状線の安全・安心を確保するため必要な工事」と理解を求めた。来年度は北行でリニューアル工事を実施。阪神高速道路(株)は、安全・安心・快適な道路サービスをこれからもずっと届けられるよう高速道路リニューアルプロジェクトを推進していく。